サカナクションが提示する総合芸術

日本の音楽シーンにおいて、一目を置かれる存在となったサカナクション。音楽フェスなどで彼らのライブパフォーマンスが有名になり、若者を中心の多大なる人気を博しています。また、TBSテレビの「情熱大陸」に出演するなど、音楽家としての言動に注目が集まっています。
彼らが支持を得た背景には、ライブにおいて、総合芸術を提示していることが一つの要因だと考えます。通常ライブにおいては、ギターやベース、ドラムなどの演奏のうえに、ボーカルの歌をのせて、時折観客を鼓舞して一体となってパフォーマンスをすることが一般的です。一方で、サカナクションのライブは、照明、音響、映像を駆使した、いわば総合芸術としての音楽を提示している点に他との差別化があります。
たとえば、照明について。照明のスタッフが音楽に合わせて緻密に照明を切り替え、ライブの山場では、レーザを使って光の海を作り出し、その光に観客から大きな歓声があがります。照明に対して、歓声が上がるライブは、ほかのアーティストではほとんど見受けられなかったものでした。また、音響については、音響を調整する熟練のスタッフが音楽のバランスやボリュームをコントロールするとともに、スピーカーを置く位置の調整や使用する機材へのこだわりなど、空間づくりに心血が注がれています。
サカナクションが開いた、照明や音響をフルに活用した総合芸術としての音楽の地平。サカナクションに端を発して、これからますます注目されていくのではないでしょうか。